冗談ばかりの彼氏さま
「いいなぁ~いいなぁ~♪
私も遊谷くんに抱っこされたぁーい」
あたしを見て
目を輝かせる翔子。
……どんだけ好きなのよ!
その時、椋也は思いがけない行動に移した。
「え、いいよ?…はい」
そんな翔子に椋也は手を伸ばしたのだ。
「えぇ!!?い、いいの?てか、私、重いよ?」
「いや、若月さん軽いでしょ。さ、おいで?」
……え?
本当にするの?……本当に?
あたしは訳が分からなくって
ただ固まっていた。
そういうのって彼女だけ、
とかじゃないの……?
「……結真いいの?
私が遊谷くんに抱っこされても」
首を傾げて、最後の確認をする翔子。
……てゆーか、
あたしは“無理やり”付き合ってるわけだし
それに、これは椋也の気まぐれで……
あたしなんて
ただの暇つぶし、だから……
あたし以外に触れるのだって
当たり前……なんだ。