冗談ばかりの彼氏さま
――――…へ?
「ごめんね、若月さん。ちょっとした俺の冗談」
そう言って舌をちょっと出す椋也。
そんな椋也に「えぇ~」と
拗ねながら、翔子は笑う。
いつもの翔子なら、怒るはずなのに……
もしかして翔子、
これが椋也の冗談だって最初から気づいてた…!?
これじゃ…まるで、あたしだけが気づいていなかったみたいにじゃん!
そんな風に感じられて、少し悔しくなった。
「それに……」
「……ッ、ひゃあっ」
急にあたしを抱き締めた椋也のせいで、変な声が出た。
そんな声を聞いて
クスクスと笑う椋也と翔子。
「それに、俺の彼女が今にも泣きそうだから……いじめるのは、やめるよ」
な……泣きそう、だと?
別に泣きそうになってないんだけど……!?