冗談ばかりの彼氏さま
「はあ?…なんで?」
ちょっと不機嫌な顔をして
巽は
また尋ねてくる。
なんか少し怒ってる…?
「美化委員の仕事があって帰りが遅いの」
「え、マジか!
なあーんだ、てっきり遊谷のヤローと帰るのかと思った!」
そう言ってヘラッと笑う巽に
さっきまでの怒気はない。
……あ、でも……
あたし、さっき
椋也と帰る約束しちゃってるじゃん……
まぁ断らなきゃだけど。
もしかしたら、その約束すら
冗談…なのかも。
「椋也は他の女の子と帰るんじゃないかな?」
「ああー、そうかも!アイツ
いっつも放課後は女子に囲まれてるし」
――――…ほらね。
あたしじゃなくても
彼の周りには
たくさん女の子がいる……