冗談ばかりの彼氏さま
ずっと前から
噂で知っていたことじゃない……
今さら、気にするようなことじゃないよ……
「…どーした、結真?」
「へっ?」
「今にも、泣きそうな顔してる」
――…泣きそう?
「そんなわけないっ!あ、もうチャイム鳴るよ?早く座ろー」
「あ、ああー…」
あたしが泣きそう?
あははっ、ないない。
感動系ドラマとか見ても泣かないあたしが泣くとか有り得ない。
授業中も巽の言葉や椋也のことが頭から離れなくて、全く集中ができなかった。
――――昼休み。
あたしは、いつもより
早めに
ご飯を平らげると、机からプリントを出した。
「翔子。あたしプリント配ってくるね?」
「はいよ~♪がんばって」