冗談ばかりの彼氏さま
あぁー…この顔、きらい。
「……え?」
「じゃあね、結真」
あたしの頭を優しく撫でた椋也は、潔く離れていく。
そして
あたしから離れた瞬間
椋也の周りには女の子が集まってくる。
「遊谷くん、早くいこ?」
馴れ馴れしいその態度に、あたしの心はざわつく。
そんなあたしを見て美夜ちゃんは言った。
「南さんも、すぐに捨てられるよ」
こんな美少女と簡単に別れてしまう椋也だ。
あたしなんて
瞬殺に決まっている……
「遊ばれてるんだよ…絶対に」
そんなこと、わかってる
「…うん、知ってる」
「……」
知ってる、だから言わないで
他の人にも言われたら
直接、心にグサッと何かが突き刺さって……
苦しいから。