冗談ばかりの彼氏さま
首を傾げて、今までのことを
考えてみると
意識してみれば確かに
あたしは翔子に、椋也に対する文句ばかり言っていた。
でも……それが何?
「だって…っ、椋也が……!」
「結真。ちゃんと考えてみて。自分の気持ちも……遊谷くんの気持ちも」
わかんない……わかんないよ……
ずっとずっと嫌いだった。
あのみんなを魅力する容姿も
王子様みたいな笑顔も
意地悪なとこも……だけど、優しいとこも。
「冗談だって笑う椋也なんて……っ」
あたしは下唇を噛んで、涙を堪えるように俯いた。
すると、
すかさずに翔子が、あたしの顔を覗き込む。
「結真はただ、“冗談”にしてほしくなかったんでしょ?」
「……ッ」