冗談ばかりの彼氏さま
――…そうだ。
あたしは冗談にしてほしくなかったんだ。
付き合ってることも
キスも
『好きだよ』と愛を囁く、あの言葉たちも
すべてが
“遊び”で終わってしまうのがどうしようもなく、
辛かったんだ……
「私が遊谷くんに抱っこされそうになったの覚えてる?」
「うん…」
忘れるわけがないよ。
だって
椋也はあたしじゃなくてもいいんだ、って思った理由のひとつだもん……
「あの時の結真、可愛かったなァ~」
「……はい?」
急になに!!?