冗談ばかりの彼氏さま



――…そうだ。


あたしは冗談にしてほしくなかったんだ。



付き合ってることも

キスも

『好きだよ』と愛を囁く、あの言葉たちも



すべてが
“遊び”で終わってしまうのがどうしようもなく、
辛かったんだ……




「私が遊谷くんに抱っこされそうになったの覚えてる?」



「うん…」



忘れるわけがないよ。

だって
椋也はあたしじゃなくてもいいんだ、って思った理由のひとつだもん……




「あの時の結真、可愛かったなァ~」



「……はい?」



急になに!!?





< 43 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop