冗談ばかりの彼氏さま
×好きって言わせてやるよ
その後、授業を受けて
清掃をして……
HRが終わると、あたしは
美化委員の仕事をするために
早めに支度を済ました。
「…あ。結真っ!
美化委員がんばれよな!」
そう言って手を振りながら笑ったのは、翔子の幼なじみの巽。
「う、うん」
「また誘うから……今度は一緒に帰ろうな?」
巽はそれだけ言うと
あたしの頭を撫でて教室を出ていった。
「アイツも頑張るわね…」と、独り言を呟く翔子に、
あたしは
「また明日♪」と言って別れた。
廊下を歩いている間、ふと椋也の顔が浮かんだ。
今はまだ……会いたくない。
気持ちがぐちゃぐちゃして
胸が苦しいから……
でも、それとは対照的に
あたしの足は
早足で……裏庭に向かっていた。