冗談ばかりの彼氏さま
「なっ、何しに来たのよ…」
「なにって手伝いに来たんでしょ。俺、美化委員だし……一緒に帰りたかったしね」
そう言うと椋也は、ふわりと笑ってあたしを見た。その表情にドキッとしてしまい、あたしは下を向いて花に水をやる。
ドキドキするのに…どこか悲しい気持ちだった。
「…美夜ちゃんと帰ればいいじゃん」
それか、他の女の子。
だって椋也にとって
みんな同じようなものなのだから……
「ちょっと待って。なんで美夜が出てくんの?」
「なんでって……」
「もう美夜とは別れてるよ。ずっと前に」
あんな美人と?
じゃあ、平凡なあたしは
もっと早く捨てられるんじゃない?
心の中のあたしが
そうあたしに囁いてくる。
だったら…
捨てられる前に、、、
「…別れようよ、椋也」
きっと、このほうが
あたしは傷付かない。