冗談ばかりの彼氏さま
あたしはアンタに…
椋也に振り回されるのは、もう嫌なの!!
――――グイッ。
すると急にホースを掴んでいないほうの手を強く椋也に掴まれた。
「ねぇ、さっきから何?
なんで結真は怒ってんの?」
「別に怒ってなんか……ひゃあっ」
「別れないよ?俺は」
「椋也……んんっ!」
真剣な眼差しで、別れないと宣言した椋也が急にあたしの顎を持ち上げて、苦しいキスをしてきた。
何度も角度を変えて…
離れては、また、くっつけて…
耳まで熱くなるのを感じる。
キス……すごく慣れてる…
そう思った瞬間
また頭の中に美夜ちゃんが浮かんできて……涙が溢れた。
「んっ……ふぁっ…、やめ……てよっ!!」
あたしは
椋也のオモチャじゃない…!
思いっきり椋也を突き飛ばし、椋也を無理矢理引き離した。
その拍子に、ホースが自分の方を向いてしまって、水が頭から降りかかった。
「結真…?」
「あたしは…っ、美夜ちゃんの代わりとか、椋也の遊びで……付き合いたくない…!!」