冗談ばかりの彼氏さま
「…わかった」
そう思いながらも
断り切れないのは……遊谷くんの発言が嘘だとは思えないから。
あたしが
そう答えると、遊谷くんは
優しく笑って
あたしを抱き締めた。
「いい子だね、結真」
「ゆ…遊谷くん…」
「“椋也”、だろ?
そう呼んで」
落ち着いた甘い声で
そう言われ
胸がキュンとなった。
「……りょ…ぅゃ」
「聞こえない」
「……りょ、うや」
恥ずかしさで涙目になりながらも遊谷くん…いや、椋也を見つめて呼んだ。