冗談ばかりの彼氏さま
きっと、そんな風に思うのは、知らないうちに……あたしは椋也を……
「…結真は何も分かってないね」
にこりと微笑する椋也。
さっきまで怒っていたくせに、もういつもの穏やかな椋也だった。
え……?
なにを分かっていないの?
そう尋ねようとしたけど
下校中の男の子たちが、チラチラとあたしを見ているのに気づいて、首を傾げる。
「……え?」
なんで、見てるの?
もしかして
さっきまでの会話、聞かれてた?
しかし、あたしが気づく前に椋也が事態に気がついた。
「…ちっ」
…え!?
なんで舌打ちしたの!?
「りょう……きゃっ」
椋也と呼ぼうとする前に
あたしは椋也にお姫様だっこされてしまった。
うわぁ……なにこれっ///