冗談ばかりの彼氏さま
「なんでさっき、美夜の代わりとか言ったの?」
穏やかに聞こえる声。
顔は見えないから椋也が何を思って言っているのか分からない。
「だって…あんな可愛い子と別れたんだから……あたしは誰かの代わりか、遊びかと…」
そうとしか考えられない。
学校の人気者が、かつ、女遊びもするような人なのだから。
ジャージを握り締めながら、あたしの視界は涙で歪んだ。
「なにそれ」
シャッと突然カーテンが開いたかと思うと、そのまま椋也に押し倒された。
「やっ…椋也……っ」
あたし、ブラとスカートなんだけど!!
そんな事はお構い無しで
椋也はあたしの唇にチュッと軽く口づけてから、下へと移動する。
「やっぱり結真は何にもわかってない。自分の価値」
「え…な、に?……ひゃっ、んっ…」
聞き返そうとすると
ぴりっと胸元らへんに痛みを感じた。
いま…なにしたの?
「…ん、上出来かな。
つか、結真が美夜の代わりとか有り得ないから」
「でも…!」
「逆に俺は美夜を結真の代わりにしてた。…美夜には悪いけどね」
そうなの?
「でも、罪悪感でてきて、すぐに別れちゃったけどね」
「そ…うなんだ……」
その言葉を聞いて
すごくホッとしている自分がいる。