冗談ばかりの彼氏さま
「好きだなんて、認めないんだから!」
あの日。
椋也は自信満々に言った。
“好きって言わせてやるよ”
あまりにも
その時の顔がかっこよくて…
ついドキリとしてしまった。
でも、その自信が
どうしようもなくムカツク!
「…頑固ね、結真」
「何とでも言ってください」
譲らない、これだけは。
アイツにとって
女の子なんて笑顔ふりまいていれば堕ちるものなのかもしれないけれど、あたしは……違うんだからね!!
そんな時、後ろから
ぎゅっと優しく抱き締められた。
「まーた遊谷の話かよ」
「巽っ…! ちょっ、なに?」
巽に抱き締められたのは
これが初めてのことで、あたしは驚いて巽の手を握った。
「ん?結真は抱き枕に最適だなって思ってな(笑)」
「あたしは人間だから!!」
「くくっ……はいはい。 ところで今日さー、一緒に帰ろーぜ。前の約束」
にこりと微笑みながらそう言った巽は、あたしの肩の上に顎を置いた。
く、くすぐったい…それに恥ずかしい///
「わっ分かったから……頭退けて? くすぐったい…っ///」
そう言って巽を見れば
顔を赤くして「おぉ。」と返事して離れたが、腕は首に回されたままだった。