冗談ばかりの彼氏さま
そんな巽を見て
翔子が鼻で笑った。
「ふふっ、巽ぃ~?顔が分かりやすいわよ」
「うっせぇな!面食い」
「またそんなこと言って…!!
協力しないわよ?…ま、遊谷くんには敵わないだろうけど(笑)」
「協力なんていらねぇよ。自分の力で手に入れるから。あんなヤツに負けるかっての」
ん? あのー……
なんの話をしているのかな?笑
やっぱり
二人の会話には主語がなくて、あたしには理解ができなかった。
「あら?余裕なの?」
「余裕ではねぇけど…………渡さない」
言葉の途中で巽は翔子から目線を変えて、違う方を見て挑発的に笑ったかと思うと、
「……っ!!////」
巽はあたしの頬に
キスを落としてきた。
まるで誰かに…見せびらかすように…
あたしと巽の後ろの方を見て
ニヤリと笑う巽の姿は、あたしからは見えなかった。
すると、翔子も
何かに気づいて楽しそうに笑い出す。
「巽……アンタも性悪ね」
なに?
何が起こってるの?
なんで
ほっぺちゅーされた!!?
巽も、あたしの反応みて楽しんでる!?
「ちょっと、巽? やめてよ……あれ?」
巽の斜め後ろに
だれか、いるの……?