冗談ばかりの彼氏さま
×他の子にも本気?
――――昼休み。
「ちょっと、南さん。最近、私達の椋也様と親しいんですってね。どんな色仕掛けを使ったのかしら」
「いや、親しくないです。むしろ、あっちが寄ってくるってゆーか……」
「なにそれ!! 生意気っ!!」
……えーっと、どうしてこうなったんだっけ?
いつも通り翔子とご飯を食べていたら3年の先輩と同期の女の子が押し寄せてきて、裏庭に呼び出された。
呼び出される理由なんて、椋也のことしか思い付かないから、とくに驚きもしなかったけれど。
「今後一切、椋也様に近づかないでよね!!」
だから、あたしは近づいてないんだってば!
怒鳴りたい気持ちを必死に抑えて、言葉を飲み込む。
このまま黙ってやり過ごせば終わる、そう思っていた。