冗談ばかりの彼氏さま
「そっか……そんなに、みんなを不安にしてたんだね、俺。ごめんね」
「椋也……?」
「でも安心して。俺はみんなが好きだよ?結真も好きだけど、みんなも好き」
椋、也……
最後に君は言った。
「俺は誰のものでもないよ」と。
そのあと、椋也は女の子たちと歩いて
去っていってしまった。
あたしはと言えば、さっきまでの威勢はどこへやら?って感じだった。
俯いて……いつもみたいに言い返せなくて……ただ。
「……っ、椋也の、ばかっ……」
泣くことしかできなかった。
やっぱり、いつだって君は
あたしに冗談の愛の言葉を囁いていた。
本気にしていたのは、あたしだけだった。