冗談ばかりの彼氏さま



あたしが恐ろしさの余り
一歩一歩うしろへ後退りをすると、逃げまいと肩に手を回してそれを阻止された。



「俺と結真が付き合ってるのは事実。俺が好きだからって
結真をいじめないでよ?」


椋也が甘く笑うと
周りにいた女の子の目がハートになるのが分かった。



「「はぁーい!」」



…なーんて。
いい返事を女の子たちはした。



どんだけモテてるんだか…


てゆーか
そろそろ肩に回った手を離していただきたい……!



「あの、遊谷くん…」



「ゆーま。
“遊谷くん”じゃないだろ?」




ニコッと黒い笑みを浮かべて
あたしを見つめる椋也。






< 8 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop