冗談ばかりの彼氏さま
あたしが恐ろしさの余り
一歩一歩うしろへ後退りをすると、逃げまいと肩に手を回してそれを阻止された。
「俺と結真が付き合ってるのは事実。俺が好きだからって
結真をいじめないでよ?」
椋也が甘く笑うと
周りにいた女の子の目がハートになるのが分かった。
「「はぁーい!」」
…なーんて。
いい返事を女の子たちはした。
どんだけモテてるんだか…
てゆーか
そろそろ肩に回った手を離していただきたい……!
「あの、遊谷くん…」
「ゆーま。
“遊谷くん”じゃないだろ?」
ニコッと黒い笑みを浮かべて
あたしを見つめる椋也。