冗談ばかりの彼氏さま
体はこんなにも丈夫なのに……
いつからだろう?
心がこんなにも弱くなってしまったのは……
そんなことを考えていると、ガラッと教室のドアが開き、そこからは今は会いたくない人が顏を覗かせていた。
「結真。……て、相田くん、結真から離れてもらえる?」
「うぉぉぉおいっ!!だれが“相田”だ!阿部だ、阿部!!」
「あれ?そーだっけ?ごめんごめん」
わざとらしい間違いに、なぜか
あたしがイライラする。
なんで、あたしの教室に来るのよ。
「……何の用?」
「結真、冷たいね。一緒に帰ろうと思って」
そんな優しく微笑まないでよ。
その優しさだって、あたしだけのものじゃない。
君は……
『結真も好きだけど、みんなも好き』
『俺は誰のものでもないよ』
あたしに、冗談しか、くれない。