冗談ばかりの彼氏さま
×冗談ばかりの彼氏さま
この出来事から数日が過ぎ、椋也はあたしの教室に来なかった。
それと並列して
あたしには陰湿ないじめが始まった。
真っ向から相手をすれば、あたしには敵わないと悟った人達は下駄箱にゴミを入れたり、物を隠したり。
そんな子供みたいなことをされて
正直、腹は立ったけれど
すぐに飽きるだろうと、放っておいた。
「結真。アンタ図太いわね。今朝は上から花瓶が落ちてきたんでしょ?」
「あ、避けたから平気だよっ」
「いやいや、そういう問題じゃないの!!
先生に言うべきよ」
「大丈夫よ!周りに被害もないし、あたしだけなら耐えられる」
にこりと笑って言っても翔子は、まだ心配していた。
すると、それを聞いていた巽が
「んま、どうしても危なくなったら俺が守ってやるよ」
と、ウィンクして男前に言ってみせた。
それを聞いて
「……アンタがいると、ますます不安……」
と盛大なため息を吐く翔子。
そこから、二人の喧嘩が始まり
あたしは苦笑いを浮かべた。