冗談ばかりの彼氏さま
椋也はとっさにあたしを庇った。
だけど、守られてばかりじゃ
あたしが許さなかった。
「椋也っ」
あぁ、もっと前に素直に言っていればよかった。
もっともっと伝えていればよかった。
ガツッと側頭部に重く固いものが辺り、ガタンと膝を床に着いた。
「結真……!!」
さっき咄嗟に突き飛ばしたはずの椋也が
今はあたしを抱き止めていて
いつも余裕な顏してるくせに、今はしてなくて……
なぜか、それがおかしくって微笑してしまった。
「りょ、ぅゃ……」
たとえ、椋也の中で寄ってくる女の子の一部があたしだったとしても、こうして守れたことに意味があるよね?
もっと君に
好きを伝えていれば……よかった。