冗談ばかりの彼氏さま
「と、とにかく保健室に連れていくわよ!!
頭を打ってるなら、なるべく振動させないように……」
「いや、ここに寝かせて安静の方がいい。下手に動かして悪くなったら元も子もないからな!!俺が先生を呼んでくるから。遊谷は一回、結真を寝かせろ……おい!遊谷!!」
「……っ!!」
「……大丈夫だ、結真は死なない。だから一回、寝かせろ、な?」
その言葉にやっと椋也は結真を離し
寝かせることができた。
そして、巽が保健医を呼びに行き、その場で診察を受けて
運んでもいいことになり
巽と椋也で慎重に結真を、運んだ。
保健室のベッドで眠る結真を見て
やっと緊張がほどけたのか、椋也はひとつの溜め息を溢した。
「あの、椋也……私……」
バンッ!!
まりえが言葉を紡ごうとしたとき、椋也の拳が壁を殴った。
そして、椋也の冷たい眼差しに
まりえだけでなく、その場にいた翔子と巽もびくりと肩を震わせた。
「結真に別状はなかったものの、あんなの辺りどころが良かっただけで、下手をしたら死んでた……わかる?まりえ」
「は、はい……」
先輩のまりえの方が敬語になってしまうくらい
そのときの椋也は恐ろしかった。