‐彼と彼女の恋物語‐



そして上から彼女の姿を眺めるように見下すとくすり、魅惑的な笑みを作ると。



「ベッド、行こうか」



有無をいうまえに手を脇に差し込まれ担ぐように抱き上げられて運ばれる彼女。



「ちょ…まっ…」



いくら部屋のなかだと行っても下着姿で運ばれるのにも彼のペースに乗せられといるのも抵抗だらけ。



足をバタつかせて離して離してと意思を伝えるが無意味。気がつけば寝室、ベッドの上に投げられていた。



「敬さん…っ!」



腕を交差しだめですと伝える彼女の腕を邪魔扱いしてひとつに纏めて頭上に押さえつける彼。


「だめって…、こっちも色々とダメなんですけど」

「…(意味がわからない!)」



なんとか逃げなければと視線を逸らしカーテンが開かれた窓を見れば太陽が輝く時間だということを自覚する。



「…まだ、まだお昼です!」

「だから?じゃあ夜もすればいいわけ?」

「ちがっ…!」

「はーい、もう大人しくしようね」



宥めるように彼が彼女の目尻に唇を落とせば雰囲気はがらりと変わり空気が甘く熱を持つ。



「仲直りしようか」

「わっ……」



――――喧嘩の後は、仲直りしをましょう。



「(あーほんっと可愛い)」

「(敬さん笑ってる……)」



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