‐彼と彼女の恋物語‐
日々物語。
ある日シリーズ。1ページ完結型です。
敬+小音
「たっだいまー。コトーどこなのー出ておいでーコトー?あれ?コト?」
帰ってきて早々、彼女の姿が見えない。そればかりかお出迎えの白猫もいない。なになになになに、家出?やめてよそんなの物騒本気で嫌だわ。
と、ソファーに隠れてみえなかった小さな背中が丸まっているのを捉える。寄り添うようにぴったり体温を分け合ってる子猫も同じ格好だ。
「(ああああかわいい、かわいい、あれ?天使?)」
「んっ……」
「(起きるまえに、写メ)」
「わ、敬さん!おかえ…なんでスマホ構えてるんですか」
「…ハエ、ハエたたきだよ」
「貸してください。写真消します」
「待って、待ってください。宝物なんです」
「………小音フォルダ?」
「ああああああああ」
「警察か削除選んでください」
「警察で」
「削除します」
「待て待て待て、コト、お願い目を見て話そう話せばわかる」
「ごめんなさい急に視力が落ちました」
「嘘でしょ、お願い、その指止まれ」
「はい削除。もうしないでくださいね」
「うわああ……わかったよ……(PCにコピーしといてよかったぁ)」
後日、間違えて編集者に画像を送ってしまい熊谷さん伝にバレてかなり怒らせてしまいました。