‐彼と彼女の恋物語‐



小音+熊谷


「ねぇーねぇー小音ちゃん。あいつ今まで何やってたの」

「ホームセンター巡りとか、イチゴ狩りとか…」

「へぇー、締め切りだっていうのに」

「現実逃避ですね」

「敬が書いといてくれれば今日休みだったのに、畜生」



恨みまがしく彼の部屋へと続く廊下を睨む熊谷さん。ちなみに休みだったら楽しみにしてた漫画喫茶へと行くはずだったらしい。

いつでも行けそうな気がするけど大して興味もないので適当に受け流す。



「あーあ。人の息遣いが聞こえるあの場所で1人の夜を過ごさずに済んだのに」

「……泊まっていきますか?」

「やばい、感動して泣きそう」

「もう3人分の食材買ってあります」

「はぁ。ほんと小音ちゃんいいわ、素敵、女神?おじさん生きる希望が湧いてきたよ」

「ヨカッタデスネ」

「お礼にいいこと教えてあげる。この間敬が間違えて送ってきたんだよ」

「は?」

「え?怒るの?まずい話?愛されてるねーって話をしようと思って、え?」

「すいません、ちょっと騒がしくなります」

「小音ちゃん、目が…」

「敬さん!出てきてください!」



小音フォルダ事件の裏話。


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