‐彼と彼女の恋物語‐
パタンと閉まった扉が静寂を引き込む。玄関に来ていた白猫が彼女の足に巻き付く。
「ミーヤ、ご飯まだだったね」
「みゃ~」
甘えるような姿はご主人様によく似ている。甘え上手だ。
「(夕方には帰ろう、ミーヤにご飯あげて)」
今日の予定を考えてほんの少し寂しくなる。寂しくなるけど、どうにもできない。
今日は天気がいいのでシーツを洗って。帰りが遅いといっていたからきっと疲れて帰ってくる。
いい香りで寝てもらいたい、彼には。それで、少しでも力になれたら。