‐彼と彼女の恋物語‐
それからしばらくして渋々ベッドを出て、一緒に作るといって聞かない彼とフレンチトーストを作りサラダとフルーツをつけて昼食を済ます。
普段なら食事のあとはひとりで書斎にこもる彼は、甘えたい時期なのか食器洗いを終えた彼女の手を引いて書斎に連れ込んだ。
先にいたミーヤはベッドを占領してるため高そうな回転椅子に座る彼の足の間に納められた。
「あの、先生」
「なにー?」
「仕事が」
「ここに座ってて、業務命令だから」
「…………」
両脇から伸びる腕の先は高機能なパソコン。カタカタとキーを打つ様はとても格好いい。
それを一番間近で見る彼女はどう反応したらいいのかもわからずにただ静かに座っているだけ。
「眠かったら寝てね、ここで」
「…はい」
「(可愛い…)」
眼鏡をかける彼を下から見上げる。
「(格好いい…)」
「(めっちゃ見てる!)」