‐彼と彼女の恋物語‐
まるでどこぞのホストのように会話を脱線させていく彼に彼女はため息。
どうせこのまま話していても無駄だと理解した彼女はさっさとキッチンに引っ込み用意していたお昼を出す。
「わ、鍋焼きうどんだ。好きー」
「知ってます」
いくら寝不足で食欲がなくても食べてもらわなければ仕方がない。具だくさんのそれに嬉しそうに笑った彼はなんだか可愛くみえた。
「食べたら今日はゆっくりしてくださいね、たまにはミーヤにも構ってあげてください」
足許で丸まって甘える白い子猫は久しぶりの主人に早く遊んでもらいたいようで、先ほどからゴロゴロと喉を鳴らしている。
「甘えただね、食べてから一緒に遊ぼうか」
「みゃ~」
まだまだ子供なミーヤは嬉しそうに足に絡み付いた。