‐彼と彼女の恋物語‐



「先生、ミーヤのご飯ありますか?」



ソファーに座っているであろう彼に声を掛ければあるよー、と返ってくる。



「甘えたいのかな…」

「みゃぁー」

「どーしたの?ミーヤがいるの?」

「はい、なんか甘えたいみたいで…」



その声に直ぐ様走ってきた彼は足元にいた子猫を抱き上げると拗ねたような言い方をする。



「コトはミーヤのじゃないよ、今度女の子連れてきてあげるから」

「何言ってるんですか」

「コトもコトだよ、他の男なんかについていくなよ」

「(会話にならない…)」



真面目な顔してふざけている彼を軽くあしらうとさっさと調理を始める。



「にゃぁ~、みゃ~」



彼の腕のなかのミーヤは珍しく飼い主が嫌いな日らしい。



「ミーヤもコトが好きなのか、いい趣味してるね」

「先生、そこ邪魔です」

「えー…なんか今日冷たいよ」

「すいません、反抗期なんです」



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