独眼竜のあなたへ。
「美輝姉ちゃん!聞いて聞いて、今日伊達正宗っていうお侍さんが信長さまのとこにくるんだってー!!」
町でよく遊んでいる幼い男の子にきいた
「えっ?!あの伊達家の??」
「そうだよー!もうこのうわさでもちきり!!」
本当に驚いた。
だって誰にも言ってないが、私はお城にお呼びがかかっている。
農民が城に呼ばれることは殺されるということ。
今までひそかに暮らしてきたつもりだが
まさか18で殺されるなんて、、、
そしてまだ結婚もしていない。
18の娘と言えば結婚して子供がいてもおかしくない。
「どうせ死ぬなら、恋して死にたかったな・・」
うちの両親は恋愛結婚で凄く仲が良かったため、
小さいころからあこがれであった。
「うぅ、しにたくなーい!!」
思わず叫んだ。
一度も恋がしたことない私は
一生添い遂げたい殿方に会いたいと思っていた。
でもそれもできない。
殺されると思っていたから、今まで大切にしてくれた
いとこと、お母さんには手紙を残してきた。