エゴイストよ、赦せ
その日、僕はローサの部屋に行き、食事をご馳走になった。

ついでに彼女を抱いた。

ついでに、でだ。

そんな自分も、さっぱり解らなかった。

ワカラナイ・ウインターセールだ。

だから、彼女は言ったんだ。

帰ろうとする僕に。


「場所覚えたよね? 明日も来てよ。シチューもまだあるし」


結局、次の日もローサの部屋を訪れ、シチューを食べた。

歯ブラシとか下着とかが用意されていて、そのまま泊まった。

冒険物のゲームの世界で宿屋に泊まる、そのくらいの感覚だった。


ただ、彼女を抱いたのは最初の日だけだ。

一度だけ「あたしの身体、ダメだった?」ときかれた。

違う、と答えると「誰とでも寝る女だと思ってるんでしょ?」と言われた。

僕が何かを言うより先に、「ごめん、今のなし。忘れて」とローサは言い、あの日と同じように、上目遣いで僕を見た。


「嫌いになった?」
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