エゴイストよ、赦せ
終日の憂鬱








残業のため、帰宅時間が遅くなり、ローサの部屋に行かなくなってから二週間が過ぎた。

静か過ぎる自分の部屋は、何故だろう、ひどく落ち着かなかった。


ベッドの中が、やけに冷たい。

体も冷たくなってしまう。

シーツの波にのまれ、溺れていく、そんな感覚になる。

ローサも冷たくなっているのだろうか? 

僕と同じように感じているのだろうか? 

だから、僕に抱かれたのだろうか? 


僅かばかりの心の余裕は、春一番に吹かれた洗濯物みたいに、どこかに吹き飛ばされてしまった。


こうやって、僕はまた、憂鬱の海へと沈んでいく。


酸素は、たった一息。


僕は、ひとりきり。



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