エゴイストよ、赦せ
暖かい。
この部屋は暖かい。
ローサが居るからか?
きっとそうなのだろう。
エアコンの性能とかじゃなかったんだ……。
玄関で彼女の姿を見たとき、解った気がした。
ずっと考えないようにしていた言葉が、頭をよぎる。
ローサが求めているもの……。
どうして、僕なんだ?
あんな出会い方で、あんなにも簡単に抱き合って。
それに僕は、そんなもの信じていない。
とても不安定で、不確かなもの。
やがて消えゆくそれを、どうして信じられると言うんだ。
愛だろう。
愛情というやつだろう。
強い思い込みと、少しの錯覚が交差して生まれる感情じゃないか。
お祭りの金魚すくいみたいな。
意味もなく、それが欲しくなり、手を伸ばし、すくい上げ、手に入れた、そう思った瞬間、破れるその穴から逃げていく。
綺麗に言うなら魔法だ。
かかってしまえば、頭で考える理屈なんてどうでもよくなって、心は、突き動かされる衝動に支配される。
このひとこそが自分のすべて、そんなことまで思うかもしれない。
だけど、そんな幻想も長くは続かない。
魔法が解ければ、想いも溶ける。
飾り付けた言葉は剥がれ落ちる。
足元にしがみついて、「なんで? なんで?」と喚きだす。
空気の抜けた風船みたいに、心は急速にしぼんでしまうんだ。
この部屋は暖かい。
ローサが居るからか?
きっとそうなのだろう。
エアコンの性能とかじゃなかったんだ……。
玄関で彼女の姿を見たとき、解った気がした。
ずっと考えないようにしていた言葉が、頭をよぎる。
ローサが求めているもの……。
どうして、僕なんだ?
あんな出会い方で、あんなにも簡単に抱き合って。
それに僕は、そんなもの信じていない。
とても不安定で、不確かなもの。
やがて消えゆくそれを、どうして信じられると言うんだ。
愛だろう。
愛情というやつだろう。
強い思い込みと、少しの錯覚が交差して生まれる感情じゃないか。
お祭りの金魚すくいみたいな。
意味もなく、それが欲しくなり、手を伸ばし、すくい上げ、手に入れた、そう思った瞬間、破れるその穴から逃げていく。
綺麗に言うなら魔法だ。
かかってしまえば、頭で考える理屈なんてどうでもよくなって、心は、突き動かされる衝動に支配される。
このひとこそが自分のすべて、そんなことまで思うかもしれない。
だけど、そんな幻想も長くは続かない。
魔法が解ければ、想いも溶ける。
飾り付けた言葉は剥がれ落ちる。
足元にしがみついて、「なんで? なんで?」と喚きだす。
空気の抜けた風船みたいに、心は急速にしぼんでしまうんだ。