エゴイストよ、赦せ
左手に温もりを感じ、ローサが僕の手を握っていることに気づいた。
彼女は、やさしい目をして僕を見ていた。
そう、やさしいんだ、とても。
やさしいローサは、いつもの笑顔になる。
どうして、そんな目で、僕を見るんだ?
どうして、そんな顔で、君は笑えるんだ?
ああ、そうだ、僕も笑わなければ――。
そう思ったけれど。
持っていない……。
もし、ローサが愛を望んでいたとしても、僕は持っていない。
持っていないんだ。
信じているわけでもなく、持っているわけでもなく、望んでいるわけでもない。
僕はローサに、それを与えることができない。
僕は耐え切れなくなって、彼女から目を逸らした。
天井を見つめる。
きっとあの天井が、僕らの限界だろう。
この部屋が僕らの限界だろう。
僕の部屋よりずっと広いこの部屋も、神様の住む、遥か空の彼方からは、見えやしない。
僕らがどうなろうと、神様は気にもしない。
なのに、あたたかいものだけは、きっちりと奪い去っていく。
彼女は、やさしい目をして僕を見ていた。
そう、やさしいんだ、とても。
やさしいローサは、いつもの笑顔になる。
どうして、そんな目で、僕を見るんだ?
どうして、そんな顔で、君は笑えるんだ?
ああ、そうだ、僕も笑わなければ――。
そう思ったけれど。
持っていない……。
もし、ローサが愛を望んでいたとしても、僕は持っていない。
持っていないんだ。
信じているわけでもなく、持っているわけでもなく、望んでいるわけでもない。
僕はローサに、それを与えることができない。
僕は耐え切れなくなって、彼女から目を逸らした。
天井を見つめる。
きっとあの天井が、僕らの限界だろう。
この部屋が僕らの限界だろう。
僕の部屋よりずっと広いこの部屋も、神様の住む、遥か空の彼方からは、見えやしない。
僕らがどうなろうと、神様は気にもしない。
なのに、あたたかいものだけは、きっちりと奪い去っていく。