エゴイストよ、赦せ
「小田ちゃんが行く必要性はないんだけどな」


「遅れてでも参加したいんだね」


そのエネルギーを現場の仕事にも使って欲しい、と思う。


「小田ちゃんらしいだろ? あ、これエラーリストね」


「紙で出す必要あるの?」


ご丁寧に、表計算ソフトを使って作り直した一覧表まである。

いったいどれだけの無駄な時間を消費したのだろう。


「もちろん、小田ちゃんの仕業だ」三鷹は“もちろん”の部分を強調させた。


「だろうね」僕は頷く。


「仕事した気分になるんだろうな」


そう言って、三鷹はまたニヤリと笑った。


小田は、ナマケモノは本当に怠け者だと思っているに違いない。

もしもアイツが白鳥だったなら、水面には浮かばないだろう。

地面の上で足踏みして、みんなに見せるぜ。

三鷹は以前、小田のことをそう評していた。
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