エゴイストよ、赦せ
箱庭の世界、
静寂と闇が支配して、
脆弱な神を奉る。
神が言う。
祈りを。
我に祈りを。
忘れたものを取り戻せ、と。
失くしたゴスペルを追い求め、
ターンテーブルが廻りだす。
アンプの祠の奥の墓、
ランプの狂気が増幅し、
古の歌が甦る。
そこに在るグリッドこそが見えぬ咎。
弾むコーンが指向性。
洗脳まがいの違法性。
スピーカから飛び出す狂喜が乱舞した。
大音量で。
僕が震えて空気が揺れた。
すべてが震えて灯が消えた。
たったひとつの灯は消えた。
世界は消えた。