エゴイストよ、赦せ
「どこで会った?」
「どこって、電車の中で」
「そう、電車の中。じゃあ、そのハンカチは誰の?」
「誰の?」
ハンカチに視線を落とす。
誰の、だって?
もう一度、じっくりと見る。
煙草の煙を、ゆっくりと吐き出す。
「えっ!?」僕は思わず声が出る。
「これって……、俺の?」
ハンカチの右下に小さく刻まれているロゴは、僕が憧れていた“あのひと”が好きだったブランドのもの。
日本ではマイナーだけれど、当時の僕は彼の真似をして、同じブランドの服を買ってみたりしていた。
確かにこのハンカチにも見覚えがある気がする。
絵莉の顔を見る。
「そうだね」煙を吐き出してから、絵莉が答えた。
どういうことだ?
絵莉の言葉を頭の中で繰り返し、ひとつずつ整理していく。
僕はローサに会ってる?
あの日よりも以前に?
電車の中……、ハンカチ……。
くるり、くるりと廻る。
記憶を、辿り、なぞり、探る。
散らばっていたそれが、集まり、止まった。
「どこって、電車の中で」
「そう、電車の中。じゃあ、そのハンカチは誰の?」
「誰の?」
ハンカチに視線を落とす。
誰の、だって?
もう一度、じっくりと見る。
煙草の煙を、ゆっくりと吐き出す。
「えっ!?」僕は思わず声が出る。
「これって……、俺の?」
ハンカチの右下に小さく刻まれているロゴは、僕が憧れていた“あのひと”が好きだったブランドのもの。
日本ではマイナーだけれど、当時の僕は彼の真似をして、同じブランドの服を買ってみたりしていた。
確かにこのハンカチにも見覚えがある気がする。
絵莉の顔を見る。
「そうだね」煙を吐き出してから、絵莉が答えた。
どういうことだ?
絵莉の言葉を頭の中で繰り返し、ひとつずつ整理していく。
僕はローサに会ってる?
あの日よりも以前に?
電車の中……、ハンカチ……。
くるり、くるりと廻る。
記憶を、辿り、なぞり、探る。
散らばっていたそれが、集まり、止まった。