『新撰組のヒミツ』短編集
ガサッ――……
ガサ…ガサ――……
「な……何……何の音……!?」
心臓がうるさい。
バクバクと信じられない速さで脈打つ心臓。
ああ、ヤバいかも。これがせめて昼間なら。
心臓が。
これは本当、心臓止まりそう……!!
ガサ、ガサッ……
ぁアぁあ――……
音に加え、人の唸り声のようなもの。
首に差し込む冷たい風に鳥肌が立つ。
誰か、後ろに人がいる気がした。
背中が凍り付く。
見ているのだろうか。
まさか――、
肩に、強く強く、手を掛けられた。