さよならと君にありがとう

君との過去

君と付き合い始めたのは、夏休みに入る前。

蝉の鳴く声が響く教室――…





「付き合ってくださぃ……」

最後がだんだん小さくなる、男子にしては
勇気の無さそうな告白。
私(柚亜:ゆうあ)と彼(瑠汰:りゅうた)だけが教室に残っていた放課後。


2人は掃除を任されていたんだ。


カタンッ
私は持っていたほうきを落としてしまった。


「……………」

「………あ、ごめん」

ほうきを拾って
瑠汰のほうをみてみる。


真っ赤な顔…


「あぁ…返事!返事だよね…」
「……………」


< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop