お嬢様と執事。~桜の奇跡~
『てめえ、誰だよ』
無造作にまとめられた
明るい茶髪の間から見える
目は
明らかに私を敵視している
「随分な言い方ね、
人に名前を聞くときは
まず自分から名乗るのが
礼儀じゃないかしら」
私も負けじと相手を見据え
ながら言った
『……ふん、
俺は藤咲 修也。
今年からこの学園に入学した』
なんだ、彼も同い年か
「私は氏原 桜。
私も今年入学したわ
会うことはないと思うけど、
一応よろしくと言っておく
べきかしら」
『俺だって、お前なんかと
仲良くする気なんかねぇよ』
「当然よ」
『可愛くねーヤツ』
「あなたに言われても嬉しく
ないけど?」
『てめえ、』
「何よ」
お互い顔を見合わせていたら
ラウンジのドアが開いた