100%のキセキ
episode 1
「瑠衣、遊びに来た」
ドアの方を見ると、修太郎くんが覗いていた。
「来なくていい」
「まあまあ、そう言わずにね」
修太郎くんは私の隣まで来る。
あの日からこいつは毎日に来る。
オレンジジュースあげたのが間違いだったかな…。
「瑠衣、明日水族館に行こう」
「は?無理でしょ」
「なんで?」
「入院してるし…。何かあったらどうするのよ」
「そんときはそんとき。大丈夫、行こう」
何を根拠に言ってんだか…こいつ、よく分からない。
「あのねぇ…まず病院を抜け出すことが絶対…」
「絶対はないんじゃなかった?」
修太郎くんは、ニヤリと意味あり気な笑みを浮かべた。