100%のキセキ
竹ちゃんの隣を歩く。
まだ少ししか経っていないのに、ずいぶん長く感じた。
急に竹ちゃんが立ち止まる。
「俺、瑠衣のこと好きだよ」
真っ直ぐな瞳を向けられる。
「だから…今まで通り、友達でいてくれ」
そらしてしまいたい程、その視線が痛かった。
「私…」
「瑠衣が修太郎気にかけてたのは分かってる!分かってるよ…ずっと見てたんだから…」
やっぱり、涙は出てきてしまう。
竹ちゃん、私は一度繋いだあなたの手を離してしまいました。
それでもあなたは、まだ差し伸べてくれる。
「………うん」
その手を私は、始まりの握手としてもう一度とっても良いでしょうか?