F組探究部
兄1人
その頃真砂の兄、咲砂-ササゴは…、
咲「べっ別に真砂がいなくたって平気だし。」
部屋に一人で座りながら独り言を繰り返していた。
しかし静まり返る部屋はすこし冷たいような気がした。
咲「あいつももう子供じゃないんだな…、」
俺ももう弟離れしなくちゃな、と頭で考える。
ふと横を見ると子供の時兄弟2人で撮った写真が目に入った。
目に涙を溜めながらでも笑っている弟と満遍な笑顔の自分。
咲「(確かこん時真砂転けておお泣きしたんだったな…、)」
咲「真砂ぉそんなに走ると転けるぞ」
真「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
公園に向かう途中の道を真砂(5)と咲砂(9)とその家族が仲よく歩いている。
真砂は楽しみで先を走っている。
すると真砂は小石に躓き転けてしまった。
真「うっ…ヒック、いたいぃ…」
咲「真砂大丈夫かっ!?」
真「にいちゃぁあああんっ……」
転んだ真砂は立ち上がる事もせず涙を流している。
咲砂が近づくと大粒の涙を大量に流して自分を呼んでいた。
咲砂は弟を立たせると服についた汚れをはたいた。
咲「真砂男がそう簡単に泣いちゃダメだぞ。」
真「無理だよ…ヒック…」
咲「じゃあ真砂が泣かないように兄ちゃんが守ってやるぞっ」
真「本当?」
咲「あぁ、だから泣くなほらっ」
手を差し出すと嬉しそうに手を握り返す。
後ろから自分達を呼ぶ声がする。
振り向くとカメラを構えたお父さんがこっちに手を振る。
咲「懐かしいなぁ〜でも……」