F組探究部
-新しい仲間-
少し寒い廊下を1人で歩く。皆と別れてF組に向かう。普通教室はグラウンド側なのだがF組は逆側にある。校舎がHの形になっていると言えば分かりやすいと思う。
「ふぅ〜…」
教室の前で息をつくあまりにも緊張して心臓が壊れそうなほど。ドアに手をかけ開けようとしたが堅くてあかない。
「…っくぅ〜」
どんなに力を加えてもなかなか開かない。ドアに苦戦していると後ろから足音が聞こえた。そして浅井の後ろに止まった。
「大丈夫か?」
振り向くとそこには背の高い黒いツンツン頭の男子が立っていた。今の現状を話すと彼はドアを開けてくれた。
「あっありがとう」
「いえいえ、俺優木紬-ユウキツムギ俺もF組なっ!よろしく」
人懐っこい笑顔で自己紹介をしてくれた優木に挨拶をすると彼の後ろに誰かの影が見えた。影は優木の頭にチョップを繰り出した。
「いってぇ!!」
「えっえぇ!?」
展開について行けずおろおろしていると影が近づいてきた。
「んっ?ちっちゃい…」
「(ちっちゃいって言われた!?)」
痛みでうずくまっていた優木が起き上がる。ぶつぶつ文句を言いながら頭を擦っていた。
「チョップは無いだろ…」
「うるさいね、そんなデカい図体邪魔…」
「仕方ないだろ、あっ浅井こいつすg(ぐほっ…」
本日二度目のチョップを食らって撃沈した優木を横目に彼が挨拶をしてくれた。
「杉崎香-スギサキショウよろしく…」
「よっよろしく…」
倒れていた優木が悪いやつではないと言っていたので信じることにした浅井。
教室に入ろうとした時肩を叩かれ振り向くと頬に何か当たった。
「引っ掛かった」
「へっ?」
後ろを向くと視界に赤髪が入ってきた。綺麗な赤で染めているかと一瞬思った。
「へへっ俺鈴神由一-スズガミユウイチヨロシク」
「よっよろしく」
鈴神はニッコリ笑ったが杉崎の黒いオーラに皆急いで教室に入った。
中には1人メガネを掛けた男子がいた。鈴神を見て呆れていた。
「鈴神、そんなにぐいぐいいったら引かれるよ。」
「そんなことないさ」
引いたというよりついてきけなかった事を胸の中に収めた。メガネを掛けた彼に近づいた。
「私浅井菰です。」
「僕は和島聖-ワジマヒジリよろしく」
何だか元気がついてきた気がした浅井なのだった。