hatukoi♥With you
「あ、ここ。
答え違うよ?」
「えっ、マジッ?!」
「うん。ここはぁ……」
今、私の隣にいるのは、祐大くん。
放課後、たまたま通学路が一緒なために、
一緒に帰ろうと誘われた。
そこで、宿題を教えてと頼まれ、
公園に立ち寄り、祐大くんの問題集を、
家庭教室みたいな感じで見ている。
「こう?」
「そうそう!なんだ、出来てるよ?」
「七虹のおかげだな」
「そんな、私なにもしてないよ…。」
「マイナスだなぁ。
ありがとな。わざわざ見てくれて。」
「ううん。
私、こういうの好きだから。」
祐大くんに笑顔を向ける。
と、祐大くんもニッと歯を見せて笑ってくれた。
と。
「あー。
七虹、門限何時?」
「えっ、あー…っと、
お母さんに連絡すれば…9時とか?」
「じゃあさ、
飯食い行かねぇ?
あっ、2人きりで嫌だったら誰か呼んでもいいし。」
「え、えっ?」
唐突な誘いに、一瞬訳が分からず、
思考をフル回転させる。
(ご飯……?そういえば、私、友達と食べに行ったりとかした事ないな……)
青春真っ只中の高校生。
昔は、憧れていたハズが、入学して、
さほど親しい友達もできず、
未だ実行していない……
正直嬉しかった。
「誰か誘ってみようか?」
何も言わない私を気遣い、祐大くんが問う。
「やっ、やっぱ、やめるか…?」
控えめな声に、ゆるゆると首を振った。
「いいよっ、行こう?」
笑顔でそう言うと、祐大くんも安心したように頷いた。