負けないで
あたしは上履きを脱いでローファーに履き替えるために、校舎内に戻った。
大泣きしながら、靴箱に行った。
急いで履き替えた。
学校から出ようとした時だった。
たまたま、近くを通りすがった高2の先輩が声をかけてきた。
「鞘師さん大丈夫?」と先輩。
「はい」とあたし。
「こんなに大泣きしちゃって!!先輩に怒られたんでしょ?」と先輩。
あたしははいと言えなかった。
はいって言っちゃったら余計怖いよ。
次の瞬間先輩に謝ってた。
「私が、すぐに直せなくて迷惑かけちゃってすみませんでした」
「やっぱりなんか言われてたんだ!」と先輩。
大泣きしながらいっぱい謝罪した。
「すみませんでした」
「とりあえず、泣き止まって」と先輩。
「はい。」とあたし。
「事実を聞かせて」と先輩。
「私が直さなかったから中2と中3の先輩に怒られちゃったんです。」とあたし。
「ほかの同輩と一緒に?」
「いえ、あたしだけです。」とあたし。
「もしかして、中2、中3全員に怒られたの?」と先輩。
「はい」とあたし。
この先輩にならすべて話せるって思った。