負けないで
　もし、あたしが瑞季のことなんにも思ってなかったら、亡くなって数年たった今も思い返したりすることってないと思う。

　あたしが瑞季と仲良くできなかった理由はやっぱりあたしが悪いのかなって思うんです。

　瑞季はわりと性格がきつめで、あたしも性格がきついから、お話しようと思うとすぐ喧嘩に走っちゃうんです。

　それから瑞季はとっても笑い上手でした。
たまに、あたしのことからかってくるんです。
あたしがもうちょっと冗談にのれるタイプだったらよかったんですけど、そういうタイプじゃなくて瑞季はそういうつもりないのに、からかわれただけで泣いちゃったり怒っちゃったりした。だからこそ、関わりづらいって思っちゃったのかな？


　そんな感じであたしたちは仲良くなれなかったの。
でも本当は仲良くしたかった。
１度も仲良くできず、生きている間に良さを理解できずに逝っちゃうなんてむなしいです。
< 20 / 38 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop