負けないで
 あたしは、自分が読める年になって本当にうれしかったんです。
元からステージの真ん中で目立つことを夢見ていた女の子でしたから、本当に本当にうれしかったんです。

 あたしの前の先輩、つまりは1個上の先輩方の朗読の練習風景や読み方を中3の時から研究をしていたりもしました。

 あたしの憧れはE先輩でした。
E先輩は男役をよくというよりほぼ毎回でしょうかやられる方で、本当に低いボイスが素敵な先輩なんです。そして、普段お友達と会話していらっしゃるときは高めの可愛らしい声を出される先輩なんです。

 その先輩の朗読は本当に本当に感動する読み方なんです。
あたしもああなりたいってずっとずっと思ってました。
普段しゃべるときのボイスを少し低めに落ち着いてしゃべろうと努力したこともありました。
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