トライアングル×3―秘密の三角関係―
彼は見上げるあたしの顔に近づいて言った。


「…とにかく、俺、バレたら困るからさぁ」


また鋭い目…
だけどカッコいい…のわかる気がした。


「ひっ…あ、言いません…」
「信用できね……つったら?」
「そんなっ…じゃあどうすれば…」


あたしの反応に、村上くんはどんどんとその距離を近づけていった。

不敵な笑みを浮かべながら。


「………!!」


あたしの顔はきっと赤くなって今にも流れそうな緊張の涙を目にいっぱいためて、堪えて、村上くんを見た。


「……はーっ」


あたしを見るなり、村上くんは大きな溜め息をついてあたしから離れてまたうなだれていた。

あたしはその隙に体を起こし、後退りする。


「馬鹿馬鹿しくなってきた。」
「え…?」
「脅す気なくしたっつってんの!」

「あ…の…ごめんね?」


訳がわからない…

でもとりあえず謝らなきゃ、と、顔を覗き込んであたしは謝った。


……瞬間、


「んっ…」




それは突然の彼からのキスだった。

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