トライアングル×3―秘密の三角関係―
「聞いてもいい?」

伊吹さんが言った。


「はい…」
「亮介さ。理佐に私のことなんか言ってた?」


あたしはパンを握ったまま口に運ぶのをやめた。


「…はい」
「そっか!じゃあ本当、私なんて過去のオンナだな」


伊吹さんはニッと笑ってみせた。


「あの…今でも亮介が…?」
「ん~好きかなぁ。なんかいいよね、亮介は!」


伊吹さんは寝転がって空を仰いだ。

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